2017年8月6日日曜日

株式投資の話

 これまであまり書いて来なかったテーマについて書いていこう。
 株式市場はどのような経済にとっても重要な機能を持つ市場だ。これは日本もベトナムも同様である。
 といっても、会社員時代は毎月少しずつの持株会に入っていただけだったが、31年も勤めるとそれなりの金額になっていた。京都大学に移った2004年頃に、父が1990年頃に書いた本を読み返してみたことがある。
 その本のなかにバブル時代の株式に触れた一節があった。バブル時代の株式の利回りは0.1%だったというのだ。ところが2004年ごろの株式利回りは3%などという株がたくさんある。これはすごい差だと思った。それまで持ち株会以外にはさして株式は持っておらず、株式投資を怖いものだと思っていたが、実はバブル崩壊の過程でまったく異なる構図になっていたことに気付いた。株式は当時の私には安全資産に見えた。預金はもちろんほとんど金利がない。3%の利回りの株を買えば15年保有して45%の金利がもらえる計算になる(複利のややっこしい話は省く)。そこで株式を購入することにした。
 子供の時からその会社の製品が好きだった会社の株も買った。たとえばフォスター電機である。この会社のスピーカーを使ってスピーカーボックスを工作していた。「墓場まで持っていける株」だと思ったからだ。株価は一時10倍近くになった。最近やや会社の元気がないのでこの株は売っているが、また下がったら買うつもりだ。
 私の父は堅実な人だったから「信用取引はするな」といつも言っていた。父の言葉にしたがって、私の株式投資は常に現物投資だ。だから損をしても持っていられる。そのかわり利益が出ても基本的には売らない。利益を出すと税金を払うことになるが長期投資のなかではもったいないと思う。損が出たら原因を調べて会社の政策に問題があれば処分することもあるが、もし良い会社と判断すれば持っている。
 株は確かに価格変動が大きい。2009年のサブプライムローンによる経済危機のときにはかなりの大きな含み損だったが、以上の方針なのでまったく売らなかった。
 2013年のアベノミックス開始の時は投資額を倍にした。私はそれまで国内のデフレや円安に十分な対応をしない日本銀行のポリシーがおかしいと感じていたので、安部首相・黒田総裁の経済政策には大賛成だった。このときに買った株式も多少の銘柄の入れ替えはあるが、基本的には保有し続けている。
 ベトナムにいるのだから、ベトナムの株を買うことも考えられる。利回りは7%を越える。ただこれには自信がない。色々なリスクが考えられるので手が出ない。
 

飲み過ぎとバナナ

一昨日はちょっと飲み過ぎました。隣人のマレーシアから来られているリーさんとダナン市の外交担当の責任者、そのご家族と飲んだのですが、最初の赤ワイン、そしてそのあと日本酒が二本出てきて、すっかり酔いました。
 日本酒は、北雪という吟醸酒、あと山口のお酒でした。
 ダナンの海鮮料理のバーベキューだったのですが、味は天下一品の味で、おまけに気楽な会合でもあり、すっかり飲み過ぎました。昨日はこのため家でのんびりと小説を読んで過ごしました。
 今朝は、元気にジョッギングをして北の市場に出かけて、バナナおばさんから2万ドン(100円)でバナナを買いました。気が付いたのですが、一週間前にこの半分にカットして貰っても2万ドンでした。ようは量に関係なく2万ドンなのかもしれません。

2017年8月2日水曜日

いよいよ授業の準備

 ダナンに戻りいよいよ授業の準備。一昨日、昨日、そして今日の作業と併せて、国際金融の授業のスライドはかなりできた。
 昨年とは授業のやり方を大きく変えたので資料も色々と手を加えねばならない。こちらに来てみて授業がセメスターであり、学生が毎セメスターで全員替わってしまうことが分かったのだ。
 そこで昨年は1年かけてやった内容を半年に凝縮する作業をしている。そのためにプレゼン資料を半分に簡略化しなければいけない。この3日間で何とかやってみたが、まだ十分ではないだろう。それでも全体のスライドができあがっているのは去年とは大違いで、すこし息が付けそうではある。
 明日からは開発経済学のスライドに着手する。こちらの授業は全部を変えることはしない。秋学期が国内を中心とする開発問題、春学期を国際的な側面を中心とする開発問題を扱う。両方とも内容が豊富なので圧縮することは止めることした。
 まずは昨年の資料を丁寧に見直していこう。去年の授業では、ベトナムやダナンの経済発展、特にツーリズムや交通問題を後半で多く取り上げた。今学期もこれらのテーマも授業のなかで取り上げて行きたい。

京都からダナンに戻りました

 6月の半ばから京都に戻りましたが、7月28日にダナンに戻りました。ダナンに戻って、なぜかホッとしています。不思議です。
 庭には大きなジャックフルーツが4つもなっており、そのうちの一つを庭師さんが取ってくれました。大きな実で香りも強い。包丁で解体するのですが、実の周りの繊維にネバネバがあり、これがなかなか包丁や手から取れません。苦労しましたが、朝食にはこれを山盛り食べて、南国の栄養をたっぷり貰った気がします。




2017年7月2日日曜日

京北町と深山

 京都に一時帰国しました。

京都大学の農学研究科を訪れていたカセサート大学の学生たちと京北町、そして美山町を訪れました。京北町では北山杉の林業を、そして美山では伝統的な村とエコツーリズムを学びました。このプログラムは10年まえに農学の先生方のお手伝いをして立ち上げたプログラムで嬉しかったです。右上は北山杉の床柱を手で磨く体験です。
 美山の村は朝の大雨のあとで静かでしたが、ゆっくりと楽しめました。

いつ訪れても素晴らしいと思います。


2017年6月18日日曜日

親日から「知日」、そして「好日」へ ー 日本経済新聞の記事

友人から以下の日経の記事を読みましたかというメールをいただいた。うっかり見落としていた。そこでお礼も含めてお返事を書いた。確かに大事なことと思うので、ここに載せておきたい。

親日から「知日」、そして「好日」へ ー 日本経済新聞の記事

 日経はこちらでも電子版で読んでいるのですが、たまたまディンビエンフーへの旅行中で見落としていました。この記事に書かれているのは現地に住むと共感するところです。
 記事には触れておられませんが、日本の企業の存在感は非常に大きく、私の友人にもダイキンやLIXILで働いてがんばっているベトナム人がおります。ビンコムという大きなスーパーには日本の家庭用品が日本語表記のまま特設コーナーで売られていますし、最近は日本の会社が運営する100円ショップが出ています。ただ100円ショップではなく、150円ぐらいです。
 インスタントラーメンはエースコックが50%のシェアを持っていますし、味の素の存在感も大きいです。ホンダやトヨタは言うまでもありません。
 お米は木徳神糧が当地で作っているお米が高いですが、よく売れています。先日、ハノイでは1個600円の青森のリンゴが売られていました。
 ベトナムの購買力は急速に上がっており、これからも成長を続けると思われます。若い起業家がどんどん育っている感じがします。 途上国と見下すのでなく、本当にパートナーとしてお付き合いする気持が大事だろうと考えています。

森純一

2017年6月13日火曜日

ディエン・ビエン・フーの旅 その4

6月6日
1.タイ族の村を訪ねる
美しい装飾のある伝統建築
 今朝は少数民族であるタイ族の村を訪れることだ。先日、先勝記念館の説明をしてくれた軍隊の女性が好意で村に連れて行ってくれることになった。ディエンビエンフーから1時間ほどの距離。深い山のなかに入っていく。途中は例によってまるで日本の田園風景のような景色が広がる。そして谷間に入っていく。谷を15分ほど上ったところに村がある。タイ族の伝統的な建築の1階が吹き抜け、あるいは風のとおる竹の壁になった建物が並んでいる。
 村長さんの奥さんと思しき女性が出てきて挨拶をしてくれる。
機織りの女性
 建物の1階には機織り機が置かれている。ここで女性が伝統的な機を織っている。タイ族のパターンは菱形の模様が特色である。たくさんの織物がビニール袋に入っており、見せてくれる。
 大変に美しい色彩の織物だ。自然の素材を使った立派なものは150万ドン、化繊を染めて作ったものは100万ドンである。これ一枚を仕上げるのに一人で1ヶ月ぐらいは掛かるのだろう。そう思うと貴重な織物である。
これを買いました
村の人と記念撮影
家内は入念に見て2枚の織物を買った。もともとは、タイ族の女性の頭に巻く布である。タイ族の女性は大きな髷を頭の上に結っている。これを覆い隠すように布を巻くのである。幅が30センチメートルぐらいで長さが1メートル20センチの布である。家内に言わせるとこれはテーブルクロスとして装飾的に使えるという。なるほどと思う。ここでの値段は決して安くはない。ハノイの街で買うのと変わらないが、ここで買うことに意義がある。私は値引き交渉はしないのが信条である。
川魚を割いて中に詰め物をし、焼いている
 村長さんの家の庭も見せてもらった。立派な庭である。庭では大きな豚を飼っている。またガチョウも放し飼いにしている。さらに庭には大きなマンゴーの木があり、実が落ちてくるのを拾っている。
 村の多くの家で機織りをしている。多くの家に機織り機が置かれている。

巨大なマンゴーの木、実が一杯
村を見終わって村の出口で運転手が村で作った魚籠(びく)をくれた。昨日、彼にあげた僅かのチップのお礼のようだ。とても綺麗な形をした魚籠である。
 
川岸の巨石

2.リゾートを訪れる
 今回の訪問の最後の場所として、空港のそばに出来た新しいリゾートを見に行った。高大なリゾートパークのなかに沢山の木造建築が立っており、一回の吹き抜けに巨木から作ったテーブルがたくさん並んでいる。一つ一つのテーブルは6メートルX3メートルぐらいの大きさあり、樹齢が700年ぐらいのものもある。巨大な木である。
 ズン君はこのリゾートが気に入らないようだ。エコを売り物にしながら、なぜこんな巨木を切らねばならないのかという、もっともな意見である。ガンさんはここも宿泊の候補に入れていたが、あまり評判が良くないので止めたという。何となく同感である。

 ここから空港に出てハノイ行きの飛行機に乗る。ディエンビエンフーの4日間はこれで終わった。本当に素晴らしい4日間だった。