2017年9月26日火曜日

APECの準備のための停電 ・・何だそれは?

「停電の一日、早朝編」
 9月17日の朝、5時頃である。朝起きたら妙に静かである。そして明かりをつけようとしたら明かりがつかない。停電である。まいったな、朝から停電だ。ようやく明るくなってきたので着替えて朝のラジオ体操をする。ラジオ体操のあと4キロほど走りたいのだが、走ると汗をかく。停電ではシャワーが出ない。ここの水道は水圧が低いので、ポンプで水道を汲みだして使っている。日本のように水圧が高く、一軒家なら停電でも水が出るのとはまったく違う。トイレも貯まっている水を使ってしまうともう出ない。トイレの使い方も考えないといけない。シャワーなどもっての他である。
 冷蔵庫も止まってしまうからむやみに開けるわけにもいかず、水は冷えていないペットボトルから飲んでいる。
 普通は1時間以内ぐらいに回復するのだが、時に2時間や3時間もある。そうなると大変だ。
 こちらの人は慣れているせいか、平然としている。この国に長く住んでいると「ある時に買っておく」「やれるときにやっておく」というのが大事になってくる。昨日の午後と夕方もインターネットを使ってやらねばならない仕事があり、なんとか午後9時頃までやって直ぐに寝てしまったのだが、もしやっていなかったら、今朝は気が重かったろう。
 この国に来て生活の不便についての抵抗力は大いに付いた。銀行のATMに行くと現金が切れていて引き出せないなどということも驚いてはいけない。現金がATMから引き出せないなどということはかなりの頻度で起こるのだ。日本だったら取り付け騒ぎになりそうである。
 そういえば家内からAPECに備えて停電の訓練があると聞いていたことを思い出した。どこかにそういう情報が流れていたらしい。午前3時から7時までの訓練となっていたらしいが、もう8時前なのに復旧しない。この辺がベトナム的だと思う。
 電気が止まると人間までだるくなる。現代では人間まで電気で動いているのではないかと疑いたくなる。何もできないからだるくなるのか、エネルギーが来ないのでだるくなるのか。自分がロボットになったような気分だ。
 停電の間にポメラで今日打たないといけないようなメールは全部書いてしまった。停電が収まったら、これらのメールを打てば今日の仕事の8割は終わりだ。後はのんびりしよう。一日一善だ。

「停電の一日、昼前」
 電気は依然として回復しない。驚いたね。朝の7時には復旧すると思っていた。幸い、ほとんど冷蔵庫のドアなどは開けていなかったので、何とかまだ大丈夫だろうと希望的な観測かもしれない。朝飯はバナナ2本とおつまみ用のひものをかじってすました。昼もこのままだと同じようなものになるかもしれない。日本だったら大騒ぎだろうが、ベトナムでは何もなしで済むのだろう。
 幸いに気温が32度ぐらいで風もあり、当地としては涼しいと感じるので、家中の窓を開け放して生活している。こういうときは大理石の床が心地よい。
 
「停電の一日、昼過ぎ編」
 暑くて、とても我が家には居られない、外に出ようと家の前に出たら、隣に住むマレーシア人のリーさんにビッグC(ダナンのショッピングセンター)と一緒になり、車で送ってもらい、おまけに中華料理をご馳走してもらうことになった。初めて黒い鶏のスープを食べた。甘いスープである。有り難かった。リーさんから、停電が何と夜の7時までということが分かりびっくり。リーさんの会社は自社で変電所を持っており、そこからの情報なので間違いない。ビッグCでの買い物が終わって我が家に帰って大理石の床の上にべったりと横になって昼寝をしたが、どうにも時間が進まない。ついに5時過ぎになり、まだ2時間もあるが、このままでは熱中症になって死にそうだというので、もう一つのショッピングセンターであるビンコムに行くことにした。
 ビンコムの「すもうレストラン(日本風を売り物にしている)」でビールを飲み、たらふく焼き肉を食べたのだが、これでようやく元気が出た。7時半頃に我が家に帰ると幸い電気が通じていた。
 本当に厳しい停電の一日だった。リーさんによればベトナム人のお金持ちは皆ホテルに部屋をとって過ごしているよという。今後にこのようなことがあったら高くてもよいので、冷房の利く高いホテルに行こう。

「停電の一日、後日談」
 停電の2日後、ダナンに来て初めて本格的な風邪を引いてしまった。停電の一日に、30度以上の我が家と冷房の効いたショッピングセンターを往復したり、半分熱中症になりかけていたのが効いたらしい。
 そして冷蔵庫であるが、16時間に及ぶ停電ではほとんど扉を開けなかったにかかわらず、ほとんどの物がダメになっていた。我が家のゴミ箱はおかげで一杯。
 それにしてもAPECの予備訓練とは何だろう。どうして朝3時から午後7時までの長時間停電が必要なのだろう。ベトナムには分からないことが多い。

猫の一家


 ダナンの庭に猫の一家が現れるようになった。どうも夜も庭で過ごすようだ。
 家内がこのごろ家の様子を見ている黒猫がいる。裏庭の壁の上から我が家を観察していると言っていた。あまり気にせずにいたら、ある日、猫の一家がやってきた。大きめの黒猫が1匹、中型の黒猫が1匹、そして生まれたばかりのみけ猫が3匹。合計5匹だ。我が家は借家だし、あと10ヶ月で帰る。責任を持って育てる訳にはいかない。それに庭師がやってくる。庭師に追い出されるのは不憫である。
 それで気が付いた二日目に追い出そうとしたら、母親猫がものすごい剣幕でうなっている。子猫は可哀想で追い出せないし、まあいいや、取りあえずは餌は与えず様子をみようということにした。
 実はその数日前から風邪を引いて体調が優れず、外にでるのも間々ならず、寝込みがちだったこともある。どうも気が弱くなっており、心のなかで「殺生をするのは嫌だ。世の流れに任せよう。」という言葉がどこからか聞こえてくる。
 このところ「徒然草」を読んでいるためかもしれない。高校時代以来読んでいなかったのだが、3週間ほどまえに「すらすら読める徒然草」なる本をキンドルで買って、時々、寝床などで読んでいた。そのせいかは知らないが、妙に心が仏教的になっており、さらに風邪を引いて一層諦念にあふれるようになっている。
 それにしても自然の生きる意志は強固だと思う。子猫を守ろうとする母猫の強さには感心する。簡単には引かず、自分の何十倍もある敵を威嚇する。
 どうも今夜は猫が化けて出そうだと怖くなり、風邪も引いているので寝床に伏せている。くわばら、くわばら。

(後日談:2017/10/8 その後、親猫だけがやってくるようになった。この猫は明らかに飼い猫である。子供たちは引き取り手が見つかったのだろう。よかった.)

2017年9月10日日曜日

開発経済学講義での学生発表

 京都大学にいた時代から私の開発経済学の授業では学生に発表をして貰っている。授業のいくつかのトピックを選び、学生がグループ単位で発表をする。京大では日本人学生と交換留学で学ぶ外国人学生に組んでもらってやっていた。日本人学生は初めての英語での発表でかなり緊張するようだが、やってみると結構できるのでホッとすることも多かったようだ。
 ベトナムに来ても、学生のプレゼンは継続したいと思った。開発経済学の授業をそもそも途上国で日本から来た教員が授業するのもそれなりに緊張する。途上国ではと分かったようなことを話しても、おそらく学生の方がよく事情を知っているかもしれない。その点、学生に話してもらうのは悪いことではない。この1年間やってみて分かったことはベトナムの学生はプレゼンが結構上手だということだ。
 これは授業時間の組み方のお陰で発表などの訓練されていることが大きい。ベトナムの授業は非常に長い。7時に始まる授業は9時40分まである。2時間40分(160分)の授業である。途中で20分ほどの休憩を入れるので140分として、日本は90分なので、一回の授業が日本の1.6倍もある。単位数は3単位となる。日本は2単位だから計算は合っている。
 教師側から見ると問題はこの長い授業をどうこなすかである。ドイツの大学であれば空いている時間を大学院生のチューターが学生にチュートリアルの形でさらに問題演習などをしてくれるのだが、ベトナムではそれは不可能だ。自分でやるしかない。
 私の作っていた資料は90分を前提にしていたのでまずはこれを作り直す必要もあった。いろいろと修正すると、おかしなもので1.6倍になっても、いくらでも話は出来ることは分かった。ただ学生の立場になればこれも厳しいだろう。そこでベトナム人の同僚にどうしているのかを聞いたら、全部を自分で話さずに、グループ発表や小テストなどに当てると教えてくれた。
 そこで多くの時間を学生の発表に当てることにした。ほかの授業ではどうやらベトナム語で沢山の発表をしているようで、学生は堂に入っている。英語でも一生懸命やってくれる。質問をすると質問の意が十分に取れなかったり難しいときもあるようだが、平均的には日本人のレベルとあまり変わらないと思える。
 学生の発表のあとは質問をしてそのあと簡単な講評をする。このときに私はどんな発表でも誉めることにしている。外国語での発表はやはり大変なものである。これを頑張ったら、どんな発表も誉めてやりたい。
 今期の授業もだいぶ様子が分かってきたので、発表のテーマを決め始めている。以下の様な発表テーマで行くか。多くの国を挙げたのは学生に広い世界を知ってもらいたいからである。最後のダナンの将来はベトナム人学生が私の興味のある分野をどう考えているか、知りたいわけだ。
1)Brazil
2)Pakistan and Bangladesh
3)Aging in Asia
4)Korea
5)Taiwan
6)Education Vietnam
7)Danang’s future: Transportation
8)Danang’s Future: Enviornment
9)Danang’s Future; Tourism
 今日はもう一日考えて明日学生に指示を出そう。

2017年9月9日土曜日

ダナン経済大学の入学式

一昨日は、ダナン経済大学での入学式が挙行されました。学生たちの歌や踊りのパフォーマンス、また多くの奨学金授与も行われました。全部ベトナム語ですが、だいたい何をしてるか位は想像できます!
 このような儀式の最初は学生の歌と踊りで始まります。これが30分ぐらいあります。
 
それから学長さんや総長さんの挨拶、そして新入生代表の挨拶と奨学金授与があります。新入生代表や奨学金学生の入試試験成績が画面で紹介されるのも日本とは違いますね。
 奨学金は一番多い子が約15万円とパソコンでした。
 それから10万円とか、5万円になります。貧困な地域から学生さんへの奨学金も合わせて授与されています
 奨学金は企業からの提供で、提供企業の代表に感謝状が贈られていました。

長男一家の来訪

9月の第一週に長男夫婦と孫、そして嫁さんのご両親が皆でダナンに来てくれました。孫は2歳半でおしゃべりが達者になっています。6月に一緒に沖縄旅行もしたのですが、そのときは熱を出して大変でした。今回も心配したのですが、幸い無事に過ぎました。
この歳になると孫の顔を見るのはとても楽しみです。この感覚は孫が出来て初めて分かるものです。上の写真は庭の大きなジャックフルーツと撮影したものです。

  小さな子がいると観光の仕方も変わります。ダナンのアジアパークに行ってメリーゴーランドに乗って楽しみます。
ダナンの海岸にあるフラマリゾートで海岸のリゾート気分を味わいました。ホイアンのランタン祭りにも出かけましたが、よく我慢していました。
 一日動き回って疲れたのでしょう。家のソファーでぐっすりと寝込んでいます。みんなが帰国したあとは家もまた元の静かさに戻りました。幸い来週から再来週も日本からの来客が二組あります。結構忙しい毎日です。