2018年1月28日日曜日

ベトナムの私立大学を訪れる

ホーチミンのHong Bang International University(以下、ホンバン大学)を訪問した。ホンバン大学はホーチミン市に本拠をNguyen Hoang Group(以下、NHG)の一部門である。NHGは、幼稚園、インターナショナルスクール(小学校から高校まで)、海外留学、リゾートの運営までやっている総合的な教育グループである。ズン君の親友であるナム君の紹介で、このグループの総帥であるHoang Nguyen Viet氏に紹介された。通常なら10分ぐらいで挨拶を終えて、後は関係の人たちと話をする事になるのだろうが、今回は大いに異なり、Viet氏、CEOのThao氏をはじめ10人ぐらいの人でViet氏のビジョンを聞くことになった。その上で、彼は僕に色々な質問をされる。
 Viet氏の話はすばらしい話だった。彼は大学人ではない、むしろ企業家として教育産業を切り開いてきた人だと言うことがわかる。だから彼の話には常に経済計算が入っている。これはきわめて面白い。
 彼のモットーはTrust and Romanceとのこと。これは象徴するような施設がEducation Cityのアイディアであり、にも作られている。
 Education Cityとは、幼稚園から大学まで一貫教育のための施設であり、大きな植物園などもキャンパス内にあり、子供たちはここに通いながら伸び伸びと育つことができる。ベトナム語での教育、英語とベトナム語の教育、そして英語での教育を受けることができ、それぞれのコースにより授業料が異なる。カンガイ省やフエなど5カ所にEducation Cityを作る計画であり、フエのプロジェクトは今年3月に起工式を行い、1年でスタートするという。大変な勢いである。
 Viet氏の質問は非常に多岐にわたったが、一番コアの質問は成功の確率をどう思うかということだった。僕は80%だと答えた。今のベトナムの高成長期を考えればこの人の情熱があれば必ず成功するだろうが、世界には予期せず出来事が起こる。その確率を考えておき、そのときのための手段だけは講じておかねばならない。それが僕の意見である。
 翌日は大学を訪問した。ホーチミンの都心から北に10分ぐらいのところにある。Ship of Knowledgeというロゴが21階立てのビルの入り口に書かれている。ビルは船のイメージである。
 最上階には学長室と応接室があり、ここで迎えられる。そのあと、様々な階を巡り、約1時間見て回った。出来てから4ヶ月ということで新しい建物である。(実際にはもう少したっているように見えたが、これはベトナム的な現象かも知れぬ。)
 日本では広島大学との関係が深いようで、今月も広島大学を訪問された由。歯科医療の分野で協力しているとのこと。看護や介護の分野ではベトナムでも有数の大学とのことだった。
 学内を巡ると地域研究・各国語の学科の教室には壁にそれぞれの国を象徴する絵が描かれている。日本の絵もあったが、どうも日本をあまり知らないデザイナーの作品のようでやや中国ではないかと感じられた。 建築や服飾デザインの学科があるのも面白い。韓国の建国大学(Konkuk University)とのコラボで、ゴルフの指導者のコースをスタートするとのこと。
 国立大学とはまったく異なり、新しい動きについて行くところはさすがである。
 地下にはミニストップ(日本ブランド)のコンビニがあり、なんと恵方巻きが26,000ドン(130円)で売られている。驚いた。
 ベトナムの教育界の動きを知る上では貴重な体験だった。先方からもぜひ今後の来訪を言われており、私自身も訪れたいと思っている。

2018年1月23日火曜日

トランプ大統領がなぜ選ばれたのか?

 このところ精神的には忙しい毎日が過ぎている。時間は十分にあるはずだが、今年の後半の京都のある私立大学での授業準備を始めた。特に英米圏や米国の地域研究の授業も含まれているので、米国や英国の本を読み返している。
 ベトナムにいながら米国や英国の本を読むのもおかしなものだが、需要に応じて動くのが経済であるから、とりあえずは従おう。
 今日はウオール・ストリート・ジャーナルに興味あふれる記事が出ている。この記事は授業のなかで学生諸君に読んでもらうのもよいだろう。内容は、トランプ大統領への支持が少しも揺らいでいないということだ。米国のいわゆるラスティング・ベルトを理解しないと一昨年の大統領選挙は理解できないと言われている。この記事を読むとなるほどと納得する。
WSJの記事

2018年1月14日日曜日

クレパスで描く

五行山(グーハンソン)
一昨日の夕方、授業で疲れたので気晴らしに、先週買ったコーリンのクレパスを試した。ダナンやベトナムのこれまでの写真を見ながら、描きたい情景を探す。3枚の写真があった。最初はダナンの郊外の五行山(グーハンソン)である。ここは人を連れて既に何度も行っているので、頭のなかに雰囲気が焼き付いている。写真を見ながらスケッチをしてみる。その次はダナンのミーケビーチである。これは少し北の方だろう。あまり人気がない。季節は冬にとったのだと思う。一度ゆっくりとスケッチしてみたい場所である。
ミーケビーチ
最後はダラットのValley of Loveである。昨年、ダラットに行ったときに美しい景色だと感心した場所だ。
 水彩画で最近学んだようにいきなり画面にパステルで絵を描いていく。多少形がおかしくてもよい。むしろ色彩で描いていく。これが僕には合っているようだ。いつもの画用紙よりも小さな紙に描いたのであっという間に描ける。続いて3枚を描いてみた。
Valley of Love, Da Lat
以前にもパステルを買って描いたことがある。今は京都に置いてあるので手元にはない。そのパステルに比べるとコーリンのパステルは堅い。以前のパステルは描いた後、指でなでて延ばすことが出来たが、このパステルは堅いので難しい。
 まあそれでも楽しく描けた。気に入ったのはミーケビーチを描いた一枚だ。遠くにソンチャ半島の山が見える。ダナンの浜辺の水はきれいで夏など泳ぎに行くと、小魚が足下で泳いでいるのが見える。波の部分は自分なりに描けたと思う。浜辺はもう少し白を活かすべきだったろうか。まあ素人だから好きなように描けばよい。Udemyの水彩画コースでフランスに住む英国人女性の講師が、「思い切って描きましょう。しょせんは絵の世界のことです。生死に関わるわけではありません。」と言っていたのを思い出した。そのとおりだ。好きなように描こう。

2018年1月12日金曜日

水彩で花を描く


昨年12月には大学が休みになり比較的余裕のある毎日だった。その休みに久し振りに水彩画を描いてみた。実はUdemyに水彩画の講座があり、これを見て触発され、さらにYouTubeに「柴崎春通の水彩チャンネル」というシリーズ動画があることが分かり、これも見た。なるほどと納得するものがあり、久々に描いてみようと思ったのだ。
休みのあいだに何枚かの水彩画を試みた。どの絵も楽しく描いたのだが、特に家内が市場で買ってきたグラジオラス、そして百合の絵は特に楽しかった。
 ベトナムは花が安価である。この花瓶いっぱいのグラジオラスとそのほかの花全部で400円ぐらいである。日本だったらグラジオラスが一本買えるかどうかの値段だろう。大きな百合の花も8本ぐらいの束で他の花も付けて750円にもならない。毎週、家内と市場に行くとこれらの花を買うのが楽しみである。
 今回、描きながら学んだことは、このような絵を描くときにはあまり精緻な素描はしない方がよいということでだ。思い切って自分の印象で描いて良い。また絵の具の混ざることを恐れず、水をたっぷりと活かして描く。絵の具が混ざり流れることがまた独特の色合いを生んでくれる。この数年、実物の模写にこだわって思い切った描き方ができなくなっていたが、今回はYouTubeで学んだように、輪郭線など忘れて大きな色の固まりとして描くようにした。
 このようにおおらかに考えると筆がのびのびとして来る。色が混ざることも当初は怖かったが、水彩絵の具が混じることで、まったく新しい印象が生まれることも発見した。自由に描くことの楽しさは簡単には表現できない。
一つ困ったことがある。こうやって思い切って描いていると絵の具が足りなくなってきた。水彩画の絵の具はあまり減らないのだが、今回は思い切って多くの絵の具を使うのでどんどん減っていく。ベトナムでは絵の具を補充するこもままならない。私は父から教わったWindsor Newtonという英国製の絵の具を使っている。日本ならどこでも買えるような商品なのだが、ベトナムのダナンでは売っていない。まだ通販で買う自信はない。
 スケッチブックも残り8枚しかない。ベトナムではこのような厚手の紙は売っていない。文房具店で買える紙は薄手の子供のお絵かきようである。
 来月、日本に帰る機会に絵の具とスケッチブック、そして筆も購入しておこう。