ダナンの庭に猫の一家が現れるようになった。どうも夜も庭で過ごすようだ。
家内がこのごろ家の様子を見ている黒猫がいる。裏庭の壁の上から我が家を観察していると言っていた。あまり気にせずにいたら、ある日、猫の一家がやってきた。大きめの黒猫が1匹、中型の黒猫が1匹、そして生まれたばかりのみけ猫が3匹。合計5匹だ。我が家は借家だし、あと10ヶ月で帰る。責任を持って育てる訳にはいかない。それに庭師がやってくる。庭師に追い出されるのは不憫である。
それで気が付いた二日目に追い出そうとしたら、母親猫がものすごい剣幕でうなっている。子猫は可哀想で追い出せないし、まあいいや、取りあえずは餌は与えず様子をみようということにした。
実はその数日前から風邪を引いて体調が優れず、外にでるのも間々ならず、寝込みがちだったこともある。どうも気が弱くなっており、心のなかで「殺生をするのは嫌だ。世の流れに任せよう。」という言葉がどこからか聞こえてくる。
このところ「徒然草」を読んでいるためかもしれない。高校時代以来読んでいなかったのだが、3週間ほどまえに「すらすら読める徒然草」なる本をキンドルで買って、時々、寝床などで読んでいた。そのせいかは知らないが、妙に心が仏教的になっており、さらに風邪を引いて一層諦念にあふれるようになっている。
それにしても自然の生きる意志は強固だと思う。子猫を守ろうとする母猫の強さには感心する。簡単には引かず、自分の何十倍もある敵を威嚇する。
どうも今夜は猫が化けて出そうだと怖くなり、風邪も引いているので寝床に伏せている。くわばら、くわばら。
(後日談:2017/10/8 その後、親猫だけがやってくるようになった。この猫は明らかに飼い猫である。子供たちは引き取り手が見つかったのだろう。よかった.)
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