できるだけ毎日、英語のVN Newsを読むことにしている。毎日ベトナムで生活をしていると一つ一つの記事になるほどと教えられることが多い。身の回りに起こっていることに解釈をすることができる。
今日の記事にはとてもおもしろい物があったので、簡単にコメントしながら列挙してみる。
1)ベトナムの直接投資
ベトナムへの直接投資が2017年の第一四半期に77.1億ドルになった。これは前年同期比で91.5%の増加である。実はこの数字がどのような数字かは明確に書かれていない。記事の中をよく見るとおそらく登録資本金のベースで実際の投資額ではない。その後をみるとどうも実際の投資実施額は36.2億ドルということになる。
サムスン・ディスプレイがバクニンに25億ドルの投資をすることで、全体の大きな底上げになっている。バクニンはハノイから東に30キロぐらいの場所になる。その他、台湾企業のホーチミンに近いBin Duongへの5億ドル弱の投資、コカコーラのハノイへの3億ドル強の投資がある。
韓国、中国、シンガポールがトップ3だが、韓国が37億ドルとダントツに多い。
2016年全体での直接投資の実行額は158億ドルとなっている。
好調な直接投資だが、ベトナム政府は環境や移転価格の問題があり、直接投資にも選別が必要という考えを述べている。
(コメント: ベトナムの国際収支を考える上で直接投資の存在は大きい。一つは不安定な国際収支構造のなかで直接投資による資本流入は非常に大事だ。そして直接投資により設立されたFDIセクターがベトナムの貿易収支の改善に役立っている。一方で直接投資の利益送金も大きいようで国際収支の悪化要因となる可能性がないわけではない)
2)ベトナムでの新規企業設立件数
ベトナムでの新規企業の設立件数は第一四半期に26,500件、資本総額は270兆ドン(118億ドル)となった。件数では11.4%、資本金では45.8%の増加となる。3月の新規登録企業は12,000件となり、過去6年間で最大となった。
(コメント:ベトナムの人は起業家精神は旺盛である。度重なる会社法の改正もあり、起業は増えているようだ。)
3)インスタントラーメン企業の収益の落ち込み
ベトナムの低価格帯インスタントラーメン製造会社Colusa-Miliketの売上げと利益が、、それぞれ3.5%、39%と落ち込んでいると伝えている。同社のラーメンは一つ3000ドン(約15円)の低価格帯が中心であり、この価格ではほとんど利益が出ない。同社の市場シェアーは2~4%と小さく、今後の売上げ次第では現金不足に陥るリスクもあるようだ。なお市場トップシェアの Acecookにおいても利益の減少が見られており、各社は価格下落による市場の縮小に直面している。
(コメント:当地のスーパーで見ても即席麺の売り場は毎日のように商品の並び方が変えられている。大変に厳しい競争が展開されているのだろう。振り落とされる会社が出てきても不思議はない。)
2)預金金利の上昇が不動産市場に影響
米国のFRBの金利引き上げに伴い、ベトナムでも多くの商業銀行が長期の預金金利を1~2%引き上げ、9.2%まで上昇している。これがベトナムの不動産市場にも影響を与えるだろう、投資家は株式市場などに投資を移すだろうと伝えている。
(コメント:日本の金利も1970年代や80年代にはこういう高金利の時代があった。ベトナムが高度成長期にあることを実感する。)
3)ベトナム中銀が銀行の破産法を整備
ベトナム中銀が銀行の破産に備えた法整備のための草案を準備している。ベトナムの不良債権比率は3%以下と低いが、VAMC(Vietnam Asset Management Company:ベトナム資産管理会社)に移している不良債権も含めると8.86%に上昇する。ベトナムの金融機関の安全性はASEAN地域の他国と比して低い。一方で経済への資金供給の責任も重い。
GDPに対する貸出金比率は2012年から2015年に95.2%から111.1%に拡大した。これはインドネシア(36.5%)、フィリピン(39.1%)、ブラジル(67.1%)、インド(51.6%)と比しても高い。
昨年、Vuong Dinh Hue副首相は銀行の倒産を認める勇敢な政策がベトナムにも求められると述べた。ベトナム中銀の副金融検査官、Nguyen Ban Hungによれば、2017年は株式の相互持ち合いを解消し、脆弱な銀行を排除する年となる。具体的には5つの銀行があり、それにはViet Nam Construction Bank, OceanBank, GPBankが含まれる。
(コメント:途上国の不良債権比率はなかなか分かりにくい。この数字を見る限り、現在のベトナムの成長が続く限りは克服できる水準であろう。)
4)ベトナムの貿易収支
本年第一四半期のベトナムの貿易収支が19億ドルの赤字となった。輸出が12.8%伸びて437億ドルとなり、輸入は22.4%伸びて456億ドルとなった。国内部門の赤字は60.6億ドル、FDI部門の黒字は41.6億ドル。コンピューター、繊維製品、機械の輸出が好調だったが、携帯電話、米、胡椒などの落ち込みが目立つ。
(コメント:サムスンの携帯電話の発火問題の余波だろうか。貿易収支は黒字化していたので、少し心配である。)
今日の記事にはとてもおもしろい物があったので、簡単にコメントしながら列挙してみる。
1)ベトナムの直接投資
ベトナムへの直接投資が2017年の第一四半期に77.1億ドルになった。これは前年同期比で91.5%の増加である。実はこの数字がどのような数字かは明確に書かれていない。記事の中をよく見るとおそらく登録資本金のベースで実際の投資額ではない。その後をみるとどうも実際の投資実施額は36.2億ドルということになる。
サムスン・ディスプレイがバクニンに25億ドルの投資をすることで、全体の大きな底上げになっている。バクニンはハノイから東に30キロぐらいの場所になる。その他、台湾企業のホーチミンに近いBin Duongへの5億ドル弱の投資、コカコーラのハノイへの3億ドル強の投資がある。
韓国、中国、シンガポールがトップ3だが、韓国が37億ドルとダントツに多い。
2016年全体での直接投資の実行額は158億ドルとなっている。
好調な直接投資だが、ベトナム政府は環境や移転価格の問題があり、直接投資にも選別が必要という考えを述べている。
(コメント: ベトナムの国際収支を考える上で直接投資の存在は大きい。一つは不安定な国際収支構造のなかで直接投資による資本流入は非常に大事だ。そして直接投資により設立されたFDIセクターがベトナムの貿易収支の改善に役立っている。一方で直接投資の利益送金も大きいようで国際収支の悪化要因となる可能性がないわけではない)
2)ベトナムでの新規企業設立件数
ベトナムでの新規企業の設立件数は第一四半期に26,500件、資本総額は270兆ドン(118億ドル)となった。件数では11.4%、資本金では45.8%の増加となる。3月の新規登録企業は12,000件となり、過去6年間で最大となった。
(コメント:ベトナムの人は起業家精神は旺盛である。度重なる会社法の改正もあり、起業は増えているようだ。)
3)インスタントラーメン企業の収益の落ち込み
ベトナムの低価格帯インスタントラーメン製造会社Colusa-Miliketの売上げと利益が、、それぞれ3.5%、39%と落ち込んでいると伝えている。同社のラーメンは一つ3000ドン(約15円)の低価格帯が中心であり、この価格ではほとんど利益が出ない。同社の市場シェアーは2~4%と小さく、今後の売上げ次第では現金不足に陥るリスクもあるようだ。なお市場トップシェアの Acecookにおいても利益の減少が見られており、各社は価格下落による市場の縮小に直面している。
(コメント:当地のスーパーで見ても即席麺の売り場は毎日のように商品の並び方が変えられている。大変に厳しい競争が展開されているのだろう。振り落とされる会社が出てきても不思議はない。)
2)預金金利の上昇が不動産市場に影響
米国のFRBの金利引き上げに伴い、ベトナムでも多くの商業銀行が長期の預金金利を1~2%引き上げ、9.2%まで上昇している。これがベトナムの不動産市場にも影響を与えるだろう、投資家は株式市場などに投資を移すだろうと伝えている。
(コメント:日本の金利も1970年代や80年代にはこういう高金利の時代があった。ベトナムが高度成長期にあることを実感する。)
3)ベトナム中銀が銀行の破産法を整備
ベトナム中銀が銀行の破産に備えた法整備のための草案を準備している。ベトナムの不良債権比率は3%以下と低いが、VAMC(Vietnam Asset Management Company:ベトナム資産管理会社)に移している不良債権も含めると8.86%に上昇する。ベトナムの金融機関の安全性はASEAN地域の他国と比して低い。一方で経済への資金供給の責任も重い。
GDPに対する貸出金比率は2012年から2015年に95.2%から111.1%に拡大した。これはインドネシア(36.5%)、フィリピン(39.1%)、ブラジル(67.1%)、インド(51.6%)と比しても高い。
昨年、Vuong Dinh Hue副首相は銀行の倒産を認める勇敢な政策がベトナムにも求められると述べた。ベトナム中銀の副金融検査官、Nguyen Ban Hungによれば、2017年は株式の相互持ち合いを解消し、脆弱な銀行を排除する年となる。具体的には5つの銀行があり、それにはViet Nam Construction Bank, OceanBank, GPBankが含まれる。
(コメント:途上国の不良債権比率はなかなか分かりにくい。この数字を見る限り、現在のベトナムの成長が続く限りは克服できる水準であろう。)
4)ベトナムの貿易収支
本年第一四半期のベトナムの貿易収支が19億ドルの赤字となった。輸出が12.8%伸びて437億ドルとなり、輸入は22.4%伸びて456億ドルとなった。国内部門の赤字は60.6億ドル、FDI部門の黒字は41.6億ドル。コンピューター、繊維製品、機械の輸出が好調だったが、携帯電話、米、胡椒などの落ち込みが目立つ。
(コメント:サムスンの携帯電話の発火問題の余波だろうか。貿易収支は黒字化していたので、少し心配である。)
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