2016年10月12日水曜日

国際金融の講義で感じること

長年の友人からメールをもらって返事を書いていた。この頃、国際金融の講義をしながら感じていることを少しかかせてもらった。

大学での講義はなかなか難しいです。言語的な壁というよりは、学生の国際的な経験と小生のベトナム理解の浅さに関係するように思います。たとえば今やっている国際金融の講義でも、自由な資本移動を前提とする為替の変動そのものが理解しにくいのでしょう。ベトナムの通貨ドンは中銀の管理下にあり、資本取引は大きく制限されています。正確な調査はまだできていませんが、感覚的にはベトナムの為替管理は日本の1970年代よりも前の状況に似ているような気がします。
その点、日本の学生は毎日為替の話が新聞に載るし、自由な金融市場のなかで生きている、また多くの学生が海外旅行で実際に通貨交換をしているので、現代の国際金融理論の理解も早いと思います。
逆説的なのですが、ベトナムは2000年代の初めよりも国内での米ドルの使用が減っているように感じます。2000年ではドルが国内貨幣流通量の3割は占めていたように思います。2014年の中銀の年報の11ページには国内におけるドル預金のシェアが出ていますが、国内におけるドル預金のシェアは12.4%まで減少しているとあります。ドンへの信頼が高まったということでしょうが、逆に若い人には国際金融が理解しにくくなったようにも感じます。この問題は結構面白い問題ではあります。
こうやってベトナムにいると自分の無知をよく自覚できます。はてベトナムはIMFでどんなステータスで参加しているのか、ドンは所謂交換性を持っていると言ってよいのかなど、きわめて基礎的な質問が次々と沸いてきて、ここにいる価値を感じますが、一つ一つの問題に対する解答をはさっぱり解決できません。
とりあえずは大変に幸せに感じる毎日ですが、また時々、メールください。

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