2016年10月9日日曜日

中国の不良債権問題

 一昨日の夕方、テレビを見ながら寝そべっていたら、鼻と喉に違和感があり、どうも風邪をひいたようだ。こう言うときはたパブロンを飲んで寝ているしかない。幸い、来週の火曜日の授業は十分に準備が出来ているのであまり焦らないでよい。とにかく1日で治してしまおう。とにかく風邪にはそれ以外にないと決めた。
 一作日の午後までははまだ調子も良くて、プールサイドでのんびりと長谷川慶太郎氏の「2017年大局を読む」を読んでいた。今朝は、高坂正堯氏の「大国日本の世渡り学」を読み終えた。以前に買っていたが途中になっていたのだ。これは日米摩擦の頃にかかれた本だが、今でも十分に通じる古典的な名著だと思う。ベトナムに来てからというもの、大学の雑事から解放されて、英語も日本語もとにかく本を読めるのはありがたい。
 そして今朝は、飛ばし読みだが日本経済新聞の大越匡洋氏の「北京レポート」を読んだ。この3冊いずれも中国が大きなテーマである。
 中国の将来はベトナムに居ても気になる。ベトナムも共産党の一党独裁ということに変わりはない。中国のようになってもらいたくはないが、その可能性はある。一昨年に中国の貴州の州都である貴陽を訪問したことがある。北京大学からのお誘いで環境問題について議論をするために訪問したのだが、巨大な国際会議場の周りを取り囲む高層アパート群に驚いたものだ。大越氏の本でも、ゴーストタウンの一つとして取り上げられている街だが、巨大な人気のない街だった。中国の不良資産問題はこれから10年以上に渡って、あるいはもっと長期に中国経済のボトルネックになっていくだろう。2002年頃に中国の不良債権問題を考えて論文を書いたことがある。その当時はGrowing Out、すなわち経済の成長により不良債権を償却していくことも可能だと思った。しかし今では、中国の高度成長の時代は終わっている。本当に痛みのある改革をせざるを得ない時が来るだろう。
 米国のワシントンDCに日本の9大学が設置しているUSJI(米国日本リサーチインスチチュート)で、本年3月、京都大学の原先生や米国のグレンフクシマ氏と一緒に講演会を行った。そのときに米国の大学で学ぶ学生たちの研究発表についてコメントをしたことがあった。中国人の学生がおり、彼は中国の南シナ海での活動を強く支持する内容の発表を行っていた。私は、これからは中国の成長鈍化と高齢化社会のなかで、中国が南シナ海の諸島に基地を作り、航空母艦などを持つことのコストを考えないのは無謀だということをコメントした。キャッチアッププロセスが終わり、中国の強みであった低賃金のメリットがなくなった今では経済成長率はかなりのスピードで下がっていくように思われる。


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