2016年10月22日土曜日

なぜ入れない英語での商品名、もったいない日本企業のブランド戦略

 昨日のブログにベトナムの中間所得層の購買力が急速に伸びていることを書いた。そのなかで日本製品が売られることも増えて、たとえばアパートの隣のビンコムストアにあるスーパーマーケットの「ビンマート」ではレジの横に日本の家庭用品が山積みにされて売られている。まあ日本の100円ショップで売られているような物が多いのだが、日本製品の人気がある証拠である。ところがそれを見ていると本当にもったいないなと思うことがある。日本のメーカーが高い評価を十分に利用出来ていないと思うことだ。
ほとんどが日本製の包丁売り場

 ぜひ日本の製造者に考えて貰いたいことがある。
日本語表記だけの関の包丁
こちらは英語が入っている
折角がんばって作った商品なので、仮に日本国内向けの製品でもどこかに海外の人が読めるように英文名を入れてもらいたいことだ。日本のメーカーの製品は信頼性が高く、こちらのスーパーなどでは日本製品が売られていることが多い。それは日本人としては誇りに思うことなのだが、これらの製品は本来は日本国内向けの製品と考えられていた物が並行輸入で流れてきた物なのだろう。日本語表記しかない製品が多い。これからの国際競争ではブランドは大変な力になることは間違いないが、残念なことにこちらの人には読めないので、日本の製造者名が分からない。すなわちブランドの確立にはならないのである。
 たとえばこちらの包丁売場の包丁の8割ぐらいが日本の包丁である。大変に信頼性が高いことが分かる。ところが、売られている製品の半分は日本語表記しかない。
この写真の包丁もずらっと並んでいるが、「関の包丁」と日本語で書いてあるだけだ。「Seki Kitchen Knife」と書いておけば、消費者の印象に残り、ながい将来の購入につながる物がこれでは一度限りだ。まことにもったいない。
台湾製の「もち 和風」だが英語表記入り
この点、台湾の会社は賢い。こちらでは今、「もち」が流行である。ところがこの「もち」を売っているのは日本のメーカーではない。台湾の菓子メーカーである。台湾製でも日本語のようなひらがなで「もち」と書いてある。日本の良いイメージを上手に利用しているが、同時に英語でMOCHIと書いてある。結果、今やMOCHIは台湾メーカーの専売となっている。日本の製造業者には大いに考えてもらいたい物である。
ASEAN生産のロッテと明治の製品、英語表記
 仮に日本の国内向けでも大きな字で英語表記をする。外国人が買うことを考え、長期のブランドに育てるべきだ。その点、ロッテや明治の商品はASEAN内での現地製品だけにさすがである。ただし国内から流れてきたMeijiの製品は会社名はMeijiと小さく英語で入っているが、商品名は日本語だけだ。これでは覚えてもらえない。
明治の国内向け製品、日本語表記しかない
 菓子や飲み物市場は確立した欧米ブランドが非常に多い。そのなかで日本製品は一つの岐路にあるように思う。ぜひがんばって国際的なブランドになってもらいたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿