2017年11月14日火曜日

APEC CEO Summitの様子

2017年11月8日(水)
 11月8日の午後からはアイオリオ国際見本市会場でAPEC CEO Summitが開催された。APEC CEO SummitはAPECの首脳会議と並行して開催される企業関係者の会合であり、参加者はAPEC参加国から合計2千人を超える企業関係者、マスコミ人などが参加する。小生は最早企業関係者ではないが、昔のご縁で今回は費用を出してくれる機関があり、参加することができた。家内も随行員として登録してあるので、夫婦で参加できた。
 初日のベトナムの大統領、Tran Dai Quangの挨拶はなかなか立派だった。人的な資本への投資の必要性を強く訴えたのが印象的だった。ただその後のセッションは議論もかみ合わず、CNNの司会の英語もよく分からず(小声で聞こえない)退屈だった。初日の議論は正直なところまったく印象に残らなかった。
 夕刻のウェルカムレセプションにはもう一度、我が家からタクシーでモンゴメリーリンクスゴルフ場に行かねばならない。タクシー代は26万ドンかかるが、日本円に直すと13百円に過ぎない。ゴルフ場のクラブハウスの横に大きな屋根が作られていて、雨が降っても大丈夫なようにはなっている。
 すでにたくさんの人が集まっており、ここで夕食を食べる。ミークワンがあまりにおいしかったので、二杯目を食べたら、椀の底に真っ赤なトンガラシの液が入っており、暗くて見えずにがぶっと飲み込んだものだから、口のなかが焼けるように厚くなり、舌がなくなるのではないかと思った。
 ステージではダンスが続いており、ベトナムらしいショーと挨拶が続いていたが、明日の朝早くからの授業もあるので30分ほどで失礼する。

2017年11月9日(木)
 午前中は授業があり、APECには参加できる。昼飯のあと、会場に戻った。何となく鼻がむずむずしている。ちょっとホール内が寒いためもありそうだ。今は大ホールにいる。京都の国際会議場ほどではないが、大きなホールである。今日は、家内とフィリピンのドテルテ大統領の話を聞き、見るためにやってきたようなものだ。今朝の講義の後、我が家に大学の車でフックさんに送ってもらったのだが、交通規制で大いに後れた。ダナンの街は多くの規制でかなり混乱している。
ドゥテルテ大統領
ドゥテルテ大統領の話はなかなか聞き甲斐があった。フィリピンの実状を踏まえて、人的な投資の必要性を話していたが、特に印象に残ったのは折角育てた多くの人材が皆フィリピンから出て行ってしまい、国内の成長には貢献しないという下りだった。いわゆるブレイン・ドレイン(頭脳流出)である。医師も技術者も海外に行ってしまう、必要な人材が国内で確保できないという。これは深い悩みであろう。決して浮ついたことのない語り口は好印象を与える人である。マスコミでたたかれる姿とはだいぶ異なる途上国の指導者を見た気がする。
夕方は市立体育館でGala Dinner。APRUの仲間と一緒に飲んで楽しかった。


2017年11月10日(金)
 金曜日は安倍首相とプーチン大統領はキャンセルだったが、トランプ大統領と習主席の話を聞くことはできた。ランプ大統領と習主席を含めてさまざまな政治家の話を聞くことができた。トランプの演説は確かに上手で、聴衆を魅惑するものがあり、多くの拍手があった。内容は新聞で報道されているように「アメリカファースト」であり、彼の主張そのものなのだが、その語り口がよくできている。声の抑揚、間の取り方、これで大統領選を勝ち抜いてきたのだと実感させるものがあった。
 習主席の話は静かでトランプとは好対照に緻密な話し方をする。そしてトランプ大統領以上の拍手があったと思うが、会場には多くの中国人がおり、彼らの拍手だったように思う。我々の側のベトナム人はまったく拍手していなかった。ベトナムでは中国に対する不信は大きなものがある。多くの人が中国のことはよく言わない。なかなか国際政治は難しいものである。

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