2018年8月2日木曜日

ラオス ルアンプラバン(2)

(2日目)
 今朝はSatri Houseで朝食を食べた。久し振りにビュッフェでない朝食だが、気持ちのよいテラスである。朝一番はクーシーの滝である。35キロ離れている。比較的狭い道を村々を抜けながら走る。途中、沿道の草刈りなどを村単位でしているのをみる。
 途中からチークの林が増えてくる。チークの葉は日本の桐の葉に似ている。チークは船や橋、家具など用途はとても広いようだ。明らかに植林と分かる林が続く。
 やがてクーシーの駐車場に到着する。ここから山道を歩く。いかにも熱帯雨林らしい森が広がるなか、一本の渓流が流れている。森の様子は異なるが、まるで奥入瀬の渓谷のようだ。面白いのは渓流のなかに鍾乳洞のなかにある堰のように壁ができていることだ。壁はいかにも泥と石灰が一緒になったようで、水は明るい水色である。これは石灰岩が上流で溶けてそれがこの河の至る所で泥と一緒になって固まったのだろうと想像した。
 このような流れがずっと続いていく。やがて更衣室と書いた立て札が見える。なぜ更衣室と驚いたが、どうやらこの流れの中に出来たプールのような場所で泳ぐ人が着替えるのだと分かった。
 1キロ近く歩いたろうか、やがてこの登りの最後の場所に着いた。これは珍しい眺めである。高い崖の上から大きな滝が幾スジにもなって落ちている。水の落ちる場所には石灰と泥が固まり、屏風のように襞をなしている。一番高い場所まで何メートルあるのだろうか。ちょっと想像がつかない。何枚も写真を撮る。スケッチ帳を持ってこなかったのが悔やまれた。
 滝の脇の木立の広場で数十人の人が集会をしている。最前列には坊さんが並んで人々と向き合っている。周りでは女たちが昼食の用意をしている。どうも地域の集まりのようだ。
 その人々を見ながら歩いているときに事故が起こった。家内が見事に仰向けに転んだのだ。石灰質のどろどろの土に足を滑らせたようだ。しばらく起きあがれない。近くにいたラオス人の青年が飛んで来て、家内の手を取り、引っ張り上げてくれた。そばのベンチに座って休めと言ってくれる。かなりの打撲のようだ。
 しばらく休み、川沿いの道は危ないので、山沿いのアスファルト舗装の道路を歩くことにする。途中、大きな里芋のような葉っぱなどに驚愕する。どの木も大きい。高さも40から50メートルはありそうだ。これはおそらく自然林である。
 やがて駐車場に着く。駐車場の周りの土産物店でみち江は竹細工のかごを買う。この辺りでは盛んに行われているようだ。

 クーシーの滝の駐車場から10分ほど走り、次に水牛の牧場に行く。入り口に5か国語くらいで「アイスクリーム」と書かれている。日本語もあるので驚く。
 中に入っていくとアイルランド人のご夫妻が出迎えてくれる。ラオス人が迎えてくれると思っていたのでびっくりする。話を聞くと彼らはボランティアでこの牧場に来てから2週間ほどだという。
 誤解があるかも知れないが、この牧場はシンガポールに住む英国人が作ったとのことで、水牛の乳からヨーグルトやチーズを作ることを農民に教育する。水牛を6ヶ月単位で農民から借りて120ドルを支払う。その間はこの農場で乳を搾り、また必要なワクチンの投与や健康管理を行う。普通の水牛の死亡率は50%だが、ここでは7%ぐらいとのこと。チーズなどは近隣のホテルに提供してコストがカバー出来る。
 ここでは英語の教育もしている。ボランティアの若い学生と覚しき学生からラオス人が英語を学んでいる。
 昼をホテルで食べた後、今度はメコン河を遡り、パークウー洞窟に向かう。2時間の船旅である。メコン河の水量は乾期というものの豊かで流れも急である。船は行きの登りは川岸の流れの緩やかな場所を選び上っていく。帰りは真ん中の流れの速い場所を選ぶ。
 大きな木が川岸には生えている。ソンサクという木らしい。日本の合歓の木と同じ花を付けているが、木の高さは20メートル、広がりは30メートルはありそうである。誠に巨大な木が並ぶ。遠くには石灰岩の山に特有のとんがり帽子のような形の山が並ぶ。ここの洞窟は小さく、中の仏像も大したものはなかったが、なによりもメコンの眺めがすばらしい。特に洞窟の対岸に立つ山の景観はすばらしく、いずれ我が家で描きたいと写真をたくさん撮っておく。

 メコン河を遡る途中、中国の鉄道建設現場があった。大きな鉄橋をメコン河に掛けている。いわゆる一帯一路であろう。中国の影響力はますます強まるだろう。そしてラオスの苦悩も深いものとなるだろう。とても中国の経済支配が緩いものとは思えない。できれば緩やかなものであって欲しいが。しかし中国は馬鹿なことをする。これらの地域に巨大な投資をして回収する目処などないだろうに。
 帰りは1時間あっという間に帰れた。途中にモン族の村や、ウィスキービレッジを見るかと聞かれたが、二人とも疲れたので断る。
 夕飯はホテルのレストランで済ました。

0 件のコメント:

コメントを投稿