今回のフエ旅行では、そのハイバン峠の峠道を車で通ってみたいと思った。というのは、以前に、第一級のベトナム研究者であるS先生からハイバン峠からみた景色のことを聞いており、絶対に訪れたいと思っていた。
ハイバン峠はベトナムの南北を分ける峠のようだ。今は日本が支援した峠の下を抜けるトンネルのおかげであっという間にフエ側に出られる。そんな峠があったことすら忘れそうである。
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眼下にランコー湾が拡がる |
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ランコーの街 |
朝9時半にホテルを出る。1時間半かかってハイバン峠の入り口に差し掛かる。ハイバントンネルへの道から分岐して旧道に入るとすぐに山道になる。少し上ったところにすばらしい景色の広がる場所がある。数台の車やバスが止まっているので、我々の車にも止まってもらい、しばしの休息。美しく雄大な景色である。ハイバントンネルから下がる自動車専用道の大きな橋が川を渡っている。向こう岸から海岸に向かって白い砂浜が続く。川は今は満ち潮らしく、真っ青な水が逆流しているのが分かる。対岸の緑のなかに町が広がる。
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貨物列車が通過 |
しばし景色に見とれていると、100メートルほど道を下ったところの遮断機が下りている。気が付かなかったのだがどうも踏切がある。しばらく待つと貨物列車がやってきた。ベトナムの鉄道では列車の本数はきわめて限られている。これは珍しい。カメラを構える。
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ハイバン峠の説明図 |
再び車に乗り、いよいよハイバン峠に向かう。急峻な斜面に細い2車線の道がうねうねと続く。よくこんな道を造ったものだと思う。箱根の山の道のようだ。この狭い道が南北を結ぶ交通路だったとは驚きである。
左側は絶壁といってよいほどの斜面である。
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ハイバン峠の門 海雲閣と漢字で記されている |
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生々しい銃撃のあと |
こんな道をかなりの時間走るとようやく峠に着いた。驚くほどの人がいる。観光バスや車がかなり止まっており、茶店や土産物屋が数軒店を開いている。我々も運転手の止めた茶店に入り、一服する。道の反対側にかつての見張り台やトーチカもある。そちら側に渡ってみる。見張り台は煉瓦づくり、トーチカはコンクリートである。産業遺産というよりは軍事遺産という方がよいのだろうか。
いつの時代のものかは分からない。煉瓦の方が古いのだろう。M先生はトーチカは日本軍が造ったものではないかという。なるほどそんな気もする。
煉瓦づくりの見張り台からはダナンの街がよく見える。モヤがかかっており、ソンチャ半島はあまり見えないのが残念だが、天気だけはしょうがない。日本だったら立ち入り禁止になりそうな危ない場所もあるが、こちらの人は気にもしない。私は高い場所では平衡感覚に自信がないので早めに降りる。足下には色々な花が咲いている。これは撮影。
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ソンチャの大木 |
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若い人がトーチカに乗って遊んでいる |
もとの茶屋に戻るとM先生がバナナが食べたいという。1本2万ドンという破格の高い値段でバナナを一本買い、彼は車のなかで食べたが、あまい香りが車のなかに漂った。
そのあと、ソンチャ半島に向かった。樹齢1000年という気を見たかったのだが、場所がはっきりせず、しばらく歩き回ったが、これはまたはということで海岸の海鮮料理屋へ。我々は二度目の店で、前回よりも貝が小さかったがカニは逆に大きかった。ここの店の海鮮は鮮度がよく、運転手も入れて4人は大いに満足する。
最後は我が家のあるフク・ロク・ビエンの団地に来てもらい、ここで一服し、M先生とはお別れした。
とても楽しい3日間でした。
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おいしいハマグリ |
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