昨日は文化の差を感じることがあった。不思議なことなので書いておこう。
立派な研究室も設置してくれて、先週から週のうち3度は大学の食堂で昼食を食べることにした。この食堂というのが面白い。図書館の一階にある。研究室からも歩いて1分ほどの距離だし、色々な先生と会えそうなので昼飯はここで食べることにした。食事は概ね2万ドンである。典型的なベトナムの食事で、私は大好きだ。野菜がたくさんあるので、きわめて健康的な食事だ。
ところがおかしなことに気付いて、実は困った。同僚の先生が僕の昼飯代を僕が払う前に払ってしまうのだ。国際部長のX先生、総務のYさん、そして企業戦略のZ先生などと一緒にたべることになった。ところX先生が2度も僕の分を払ってくれる。彼にはバーナーヒルズやホイアンにも連れて行ってもらったことはあるし、いくら何でも困るので、3度目は僕が払うと押し切って、僕が彼と娘さんの分も払ったのだが、昨日はなんとYさんが僕の分を払ってしまった。Yさんは台湾の大学でマスターを取って来たところで、まだ若い人だ。さすがに困るので、Yさんをつかまえて、「なぜベトナムでは僕の分まで払ってしまうのだ。」というと、ベトナムの食事は安いのでよく知っている同士であれば結構払うという。どんな範囲の人に払うのかと聞くと、「ただし知らない人に払ってはいけない」と説明してくれた。と言っても僕もYさんと出会ってまだ3回目ぐらいであるから知っているというのがどの程度を指すのかはよく分からない。日本の大学の食堂ではこんなことはしたことがないが、今日のYさんの話を聞くとそれほど不思議はないようだ。
アフリカの社会で、返さなくとも金を貸し借りする不思議な世界のことを最近ある新書で読んだことを思い出した。人間社会である以上、常に一方的であれば問題だが、お互いに払い合っていれば、それはそれで不合理ではないだろう。ただ世の中には色々な人がいる。部下に支払うことを強制する人間はいないのだろうか、などなど何とも不思議な思いだ?
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