2017年2月26日日曜日

寶台山寺とダナンの海鮮料理

 一応、昨日、開発経済学の問題を作ってみた。土曜日は休みの日と決めているので、仕事はしない。
 朝から12番のバスに乗って終点の浜辺まで行ってみた。すてきな一帯である。バス停は海外沿いの道路にある。バスを降りると広々とした砂浜が広がっており、漁船がたくさん並び、その向こうにはリンフー寺院の観音さんも見える。波打ち際まで行って海を満喫する。浜辺にはダナンの浜辺でよく見る、丸い形をした漁のための「かご船」がおいてある。かご船は私が勝手に名前を付けているのだが、竹で出来た大きなカゴに漆のような塗料を塗って防水し、海岸などでの漁に使う船である。佐渡島のタライ船を思い出させる。
広い海岸沿いの道路を挟んで寶台山寺というお寺がある。
 ここは本当によく整備されたお寺で観光資源としても立派なものだと思うが、どこの案内書にも載っていない。自由に入ることができる。ただし本堂に入るときは必ず靴を脱がなければいけない。
 建物の外側は美しく装飾されているが、華やかな色彩にあふれており、なるほど天国はこういう色彩なのだろうなと妙に納得する。仏典の浄土教を読んだことがあるが、天国には宝石で出来た花が咲き乱れ、何の悩みもないという繰り返しだったような記憶がある。この装飾は確かに仏典の教えに近いようにも思われる。日本の寺院は古色蒼然として神秘的な雰囲気の漂うものだが、東南アジアの寺院の多くは逆に多様な色彩で飾られている。
 掃除がよく行き届いた庭には多くの彫像がたくさん並べられている。ベトナム流のパゴダや、三蔵法師と孫悟空たちもいる。ゆっくりと静かな境内の雰囲気を楽しんだ。
 共産主義のもとでは宗教が禁止されたと聞いていたが、ベトナム社会では結局のところ、国民の宗教心を奪うことは出来なかったのだろう。このほかにも多くの立派な寺院をダナンでは見ることができる。いずれも新しいが、多くの国民の指示を今も受けているということだろう。
 寺の横にベトナム流の海鮮料理屋が並んでいる。家内が売っている貝を見たいというので入ってみたが、あまりに活きがよいので、その場で食べたくなってしまった。11時半と少し早いがすでに食べている家族連れもいる。よし食べよう。
ダナンの海岸沿いの海鮮料理屋では、店の前に並べられた生け簀に入れられた貝やエビ、シャコなどを自分で選ぶ。それを計ってもらった上で先に金を払って、店の奥で焼いたり茹でてもらったものを食べるのが普通である。
 立派なバイ貝があり、これを6つ。蛤を4こ。カニを2匹。そしてイカを頼む。全部で調理費を含めて75万ドン(約3700円)、バイ貝とカニが高くてそれぞれ20万ドン弱する。バイ貝はレモングラスで煮たものが出てきた。蛤はニンニクで味付けし焼いたもの。カニは茹でてあり、イカは焼いてある。調理費は茹でるのが各品ごとに2万ドン、焼きものが3万ドンと明瞭会計だ。
 昼ではあったが、これだけのごちそうであればビールを飲みたくなる。ダナンのビールであるラルービールを2本頼む。
 料理はゆっくりと出てくる。いやどれも旨くて驚きながら、もう一本ビールを追加注文する。 
 十分に満喫して、さて帰ろうということでビール代を払った。家内がエビを買って帰りたいということでまた生け簀を覗いて、車エビを10匹ほしいと注文する。それほど大きく見えなかったが、実際に取り出すとかなりの大型、しかも天然物である。これで30万ドン(1500円)。家内に言わせると日本で買えば、おそらく6000円から8000円はするだろうという。(このエビは夕飯にエビのチリソース煮になった。家内の料理だが、新鮮な材料のおかげで絶品だった。)
 帰りも12番のバスである。ゴークエン通りの440番で降りればよいのでその住所を言うと分かってくれた。大変に元気な女性の車掌さんで片言の英語をしゃべってくれる。
 遠足気分でバスに乗ること10分。我が家の側の停留所で降りる。まことに楽しい遠足だった。

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