2017年8月6日日曜日

ベトナムの資金循環統計は作成されていない

 今年の4月に昔の同僚からベトナムには資金循環統計があるのかと尋ねられた。ASEANの各国の資金循環統計を比較したいということだった。正直、虚を突かれたという気持だった。経済の研究者が資金循環統計を見ていないとは恥ずかしい。ベトナムの国際的な資金フローはずいんぶんと調べて自信があったが、国内の貯蓄や銀行貸し出しの流れを把握していないのは恥ずかしいと思った。
 調べてお返事しますと言ってメールで返事をした上で、ベトナム人研究者にこのことを聞くと、どうもないようだ。その旨、返事をして納得してもらったが、その後も気になっていた。

 今日、以前読んだ本を読み返していたら、以下の記述があった。しかもマーカーで線まで引いている。ますます恥ずかしい。若い頃と異なり、記憶力が大変に落ちている。ここに書いておけば、忘れないだろう。(やれやれ)


「ベトナム銀行セクター」 金融財政事情研究会
著者:野村総合研究所 萩本洋子 磯崎彦次郎(編著) 渡邊元雄
発行:平成25年8月8日

第3章の冒頭

「マクロ的に資金調達構造をみようとする際、日本では日本銀行の発表している「資金循環統計」をみれば、国内の資金需要および資金供給の構造を概観できるが、残念ながらベトナムにおいては、SBVが資金循環統計を作成していない。したがって、ベトナム経済における資金調達構造をとらえるにはIMFが公表している国際金融統計(International Financial Statistics)やカウントリーレポート(最新では2012年7月刊行IMF Country Report No.12/165)、GDP統計等から推測する。」

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