2017年8月27日日曜日

Southeast ASIA past and present

 昨日からASEANの歴史の本を読み始めている。「Southeast ASIA past and present」という本で、著者は D.R. SarDesai, University of California Los Angelesである。
 なかなかおもしろい。特に著者がインド人の学者であるだけにインドからのASEANに対する見方が強くでているように思う。Kindleで657円という価格もありがたい。
 この本の最初の章を読んでいるが、紀元前からのASEANへの民族の移動、そしてインド、中国の文化の影響などが記されている。
 ASEANの紀元前には南からのオーストロネシア語族と北からのモンゴロイドが共存する世界だったようだ。紀元前3世紀頃からは中国の統一が進むに連れて多くの民族がチベットや雲南から南に移動して来た。これらはタイ族、ビルマ族など様々な民族があり、これらの民族はそれぞれに国を作り、あるいは少数民族として今も各地に分散している。
 ベトナム人の起源は中国の広東省および広西チワン族自治区にいたオーストロネシア語族とモンゴロイドの混血と考えられている。そこで言語やアメニズムもこれらの要素が混じっているということらしい。
 ASEANにはインドと中国文化が大きな影響を与えたが、特にインドの影響は強いものがある。ミャンマー、タイ、マラヤ、インドネシアなどの国々はインド文化の影響を強く受けている。インドは文化的な影響は濃かったものの政治的な興味はなくそれもインド文化が浸透した理由の一つという。インド文化はインドの支配階層であるブラーマンがインドシナの各地の王宮に入り、宗教的な儀式や行政のアドバイスをしてインド文化の普及に寄与したという説明がある。 
 なるほどと思った。タイの王宮やアンコールワットを訪れると必ず見るものがラーマーヤナの壁画である。
 ベトナムはこのなかで唯一中国の文化圏にある国である。ベトナムとラオスのあいだにはアンナン山脈があり、歴史的にもインド文化圏と中国文化圏を分けることになったようだ。

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